来院までの経緯
昨年の夏ごろから朝起きると右の頬が疲れていることがあり、最近は頬の筋肉が痛むようになってきた。毎日寝起きで症状が出ているわけではないが、頻度が最近上がってきているので、今回来院していただいた。直近で歯科検診を受け、食いしばりがあると指摘された。仕事はデスクワークでそれによる慢性的な首や肩こりもあり。頭痛やしびれはなし。
検査と所見
- 就寝時は基本横向き
- 右側頭筋と咬筋に緊張と圧痛あり
- 環椎の右側方変異
- 上肢の可動域を体幹で代償してしまう
- 股関節可動性低下
施術と経過
今回のケースは偏った寝姿勢とデスクワークなどの生活習慣によって、筋緊張と関節の安定性のバランスが崩れた結果起こってしまった症状と考え、施術を行った。まずは、脊柱中心にモビライゼーションを行い、関節に動きを付ける。緊張の強い筋肉には緩和操作を行い、機能低下を引き起こしている筋肉に対しては、運動連鎖の修正も兼ねて運動療法を取り入れた。全体的に身体のバランスが整ってから顎へ調整を行う。顎関節の開け閉めなどの運動をするための軸となる関節は第一頚椎(環椎)と後頭骨であり、運動軸となる環椎を調整することで、頚椎の安定性を高めることを目的に施術を行った。
今回のケースの考察
顎は一見すると顎関節単独で動いているように見えますが、実は違います。顎関節は側頭骨の関節窩というくぼみに下顎骨がはまることで顎関節を形成します。この下顎骨が側頭骨の関節窩にはまっていることが重要です。顎関節が正しく機能するためには、頭蓋骨が安定するように頚椎で支えられないといけません。なので、噛み締めは顎だけの問題だと思っていても、頭蓋や頚椎なども関係します。そして、動きの部分で深く関係するのが、頭蓋骨と頚椎の間にある後頭骨と第一頚椎の二つです。最近ではスマホやPC作業によってここの動きや機能が落ちている方が非常に多いです。顎というと歯医者さんの領域にも思えますが、カイロプラクティックでは、頚椎や頭蓋にアプローチすることで改善を図ることも可能です。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。