「30年来の腰痛に悩まされている」(60代男性)

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来院までの経緯

30年近く腰痛があり、年に数回ぎっくり腰を繰り返し続けてきた。ここ数年ぎっくり腰はないものの慢性的な腰痛に悩まされている。今は体を前に曲げても後ろにそらしても腰が痛み、屈んで靴下を履くのも難しくなっている。整形外科を受診した際に、腰椎のカーブが減少していると言われ、痛み止めと筋弛緩剤を処方されたがあまり変化はなかった。整形外科以外で腰の治療はしたことがなく、今回は紹介もあり来院していただいた。

検査と所見

  • 全体的に脊柱の可動性低下。
  • 体幹の前屈、後屈、側屈で痛みあり。
  • 両側の股関節屈曲可動域低下。
  • 仰臥位にて、股関節の他動による屈曲で腰に痛みあり。
  • 筋力検査で、股関節屈筋弱化傾向。

施術と経過

今回のケースは長期間の慢性痛で様々な要因が絡んでいるが、運動連鎖がうまく働いていないこととそれによる偏った筋緊張が大きな要因として施術を行った。まずは、全体的な緊張をとるために、脊柱周りを中心にモビライゼーションを行い、その後に下肢から体幹にかけて運動連鎖を働かせるための施術を行っていく。股関節に対しては筋肉のリリースと運動を組み合わせ、それより下の足関節や膝関節は関節に対して調整を行った。初回施術後は全体的な体幹可動域の増加と、動作時の痛みの出ない角度の増加が見られた。体の使い方を改善するために運動も指導を行った。現在はさらなる改善を目指して来院中。

今回のケースについて考察

腰痛は生活習慣や体の使い方がかかわってくることが多いため、根が深い問題になっていることが多いです。それゆえに慢性痛へとなりやすいのです。今回はそれが顕著に出ていたケースでした。腰痛に限らず、慢性となってしまった痛みには大まかに2つ必要なことがあります。まず1つ目、偏った体の使い方や筋緊張などの身体的な問題を取り除くこと。もう1つは固有感覚に代表される姿勢や運動に関する感覚(神経)を正しい方向から修正していくこと。この身体的な問題と感覚(神経)の問題をあわせて施術しないと一時的に改善しても再発を繰り返して、結果的に慢性痛は改善しないことが多いです。

今回のケースでは、下肢から骨盤・腰にかけて支えられていないか力がうまく伝えられないことで上半身を余計に固めて使ってしまうことで慢性的に腰痛が引き起こされていました。なので、先ほど挙げた2つの問題を解決するために施術では筋緊張緩和と関節可動域の改善を重視し、施術後にその感覚を養うため運動処方を行いました。慢性的な症状は施術のみでは改善しづらく、ご自身で運動などを通して、感覚的な問題を改善させていく必要があります。

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